第12回「平和の文化」連続トークのお知らせ

日本国際理解教育学会内に新設された重点課題事業タスクチームでは、「平和の文化」をテーマとする連続トークの実施を活動の一つの柱としています。国際理解教育の原点でもある「平和の文化」を基本テーマに据え、多くの会員による多様なサブテーマ・切り口での話題提供を通して、会員間に多様な語り合い、学び合いを生み出す連続トークをつくり出したいと思います。
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わたしをものがたることと「平和の文化」
-市民参加の演劇ワークショップ実践に着目して-

日時:2024年9月28日(土) 19:30~21:30

開催方法:オンライン Zoom *お申し込みされた方にZoom URLをお送りします。

概要
今回のトークでは、自分が生きてきた道すじをふりかえり、詩を書き、自分をものがたるプロセスをたどった演劇ワークショップに着目し、<今・ここ>から「平和の文化」を生成していく可能性について、話題提供者自身のことばで、ものがたる試みをしたい。

話題提供者は、かつて鶴見俊輔のあることばに衝撃を受けた。ある集まりでの「平和の文化に対する対立語」は「マニュアリズム」ではないかという発言である。鶴見は「マニュアルを作る。教科書があるとする。それを説明するためのマニュアルがある。…マニュアルに則ってやるということがマニュアリズムだとしますと、そのマニュアリズムが平和の文化の対立語ではないか」。さらに「平和学とか平和運動がマニュアル通りに学習されるとどうなるんですか。そこが今問題だと思う。平和学を原理の方向から考えてゆくのではなくて、『臨床平和学』を考えるとよいと思うんです。クリニカルピーススタディです」と述べている。1

この発言に衝撃を受けて「平和の実現を希求する国際理解教育も、マニュアルとおりに実行されることで平和に対立する行為になるおそれを孕んでいることになる。国際理解教育が『マニュアリズム』に陥らず、<今・ここ>から平和を実現していこうとする『クリニカルピーススタディ』のアプローチとなるためには何が求められるだろうか。」(博士論文の冒頭より)という問題意識をもちながら、実践に臨んできた。

今回は一人ひとりが自分の人生について詩をつくり表現することを目指した演劇ワークショップに着目し、一人ひとりがものがたることが、他者や自己との関係性を編みなおし、より豊かないのちを生きられる可能性について考えたい。さらには、一人ひとりがより豊かないのちを生き、目の前にいる人と一緒に、今、わたしが生きている場所を平和にしていくことで、<今・ここ>から、平和の文化が生成されていく、それが可能なのか‥参加者のみなさんと一緒に、かたりあいたい。

  1. 鶴見俊輔・内海愛子・中村尚司・米田伸次(2000)「『平和の文化』の創造に向けて-寛容・和解・対話をキーワードとして-」『国際理解』第31号、53-65頁 ↩︎

話題提供者:宮野 祥子(桜美林大学 非常勤講師)

申し込み先https://forms.gle/hKgDku24v122xTtu8
 ※お申し込み締め切り2024年9月27日(金) 17:00

問い合わせ先:重点課題事業タスクチーム 山西 yyuji★waseda.jp 
        ★を@に変えてくお送りください

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