新年のご挨拶 “War is over if…”
日本国際理解教育学会の会員の皆さま
明けましておめでとうございます。
恒例の日韓の国際理解教育学会会長による共同メッセージをお届け致します。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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冬が来ると世界中の街⾓で聞こえてくる歌があります。ジョン・レノンとヨーコ・オノが作った「Happy Christmas (War is Over)」です。年の瀬のせわしなさの中、♪A very merry Christmas, and a happy new year, letʼs hope itʼs a good one, without any fear♪という歌詞が美しいメロディと共に街に流れ、寒さにこごえながら道ゆく⼈の⼼を温かくしてくれます。
クリスマスは世界中の⼦ども達がサンタクロースから贈り物を受けとり、幸せになる年に1度の特別な⽇です。しかしこの歌詞は次のように私たちに問いかけているようにも思えるのです。「戦禍の中にいる⼈々はどんなクリスマスを過ごしているのだろう?」「理不尽な暴⼒に怯えてクリスマスや新年を迎えた⼦ども達はどれほどいるのだろう?」「なぜ私たちは、だれもが安⼼して新年を迎えられる世界をつくれないのだろう?」と。
2年ほど前に韓国と⽇本の国際理解教育学会の会⻑が共同で新年の挨拶をするようになったのは、ウクライナやガザで勃発した戦争がきっかけでした。以来、ジョンとヨーコが願ったように⼦ども達の恐怖⼼は消え去ったのかというと、残念ながら、世界は反対の⽅向に進んでいるように思えるのです。ウクライナ、ガザ、ミャンマー、スーダン…等々、世界の⼦ども達が安⼼して暮らせない国や地域は増えているといえましょう。
また、韓国と⽇本の国内情勢も決して予断を許すものではありません。昨年 11 ⽉に光州で開催された韓国国際理解教育学会⼤会のテーマには「分極化(polarization)」と「過激主義(extremism)」が掲げられており、近年の両国に共通した世相が反映されていました。国内でも偏狭なナショナリズムやポピュリズムが蔓延する中、国際理解に取り組む実践者・研究者である韓国と⽇本の学会会員の皆さんは無⼒感にさいなまれる時もあるのかもしれません。
たしかに、国際理解教育にとって順⾵とは⾔い難い情勢ではありますが、その⼀⽅で、私たちは次のようにも思うのです。もし⽇韓の会員をはじめとした世界中の学校や地域で国際理解に取り組む教師や職員たちの地道な努⼒がなければ、世界は今よりもっと暴⼒に満ちた場所になっていたのではないだろうか、と。社会全体が戦争に向かう瞬間があるとすれば、それはある種の抑制⼒が働かなくなり、バランスを失う時なのでしょう。平和の実現にとって⼤切なのは、⼦どもや若者の声に⽿を傾け、彼らにとって安⼼な場を作るという⽇々の努⼒を絶やさないことである、と私たちは信じています。
私どもの学会には、四半世紀以上にわたり、多くの会員が両国の研究⼤会に参加し、中国からの参加者も⼀緒に交流を深め、成果や課題を分かち合い、研究を共にしてきたという無⼆の経験が蓄積されています。分断や争いが広がる歴史上の現在地においてこうした営みを絶やさないことの重要性を今いちど確認し、2026 年も韓国と⽇本の会員が⼿と⼿を携えて歩んでいく希望の1年にしたいと思います。
冒頭の曲名にある括弧付きの War is over は、実際の歌では “… if you want it” という歌詞が続きます。私たちが望めばきっと戦争を終わらせられる、希望は私たちしだいなのだ、と若者たちが実感できる社会にしたいものです。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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韓国国際理解敎育学会で作成・配信された英文版も以下に共有します。
